RPA活用の現状について:RPAに過度な期待は禁物です。簡単に自動化できるPC操作は?
2019年03月26日
RPAに過度な期待は禁物です。
Robotic Process Automation(ロボティック プロセス オートメーション)という言葉は、数年前に作られた造語・新語であり、AI(機械学習)を含めた意味で定義されています。言わば、流行語みたいなモノで、何か新しい特別な技術を表す用語ではありません。
また「ロボットによる業務の自動化」と訳されるため、いかにも、AIやロボットが人間に置き換わるような、革新的なイメージを連想させます。
現在、RPAを指す商品として、WinActor(ウィンアクター)、Bizrobo(ビズロボ)、Uipath(ユーアイパス)などの「RPAツール(これも造語)」が紹介されています。
しかしながら、
これらの「RPAツール」は、GUIで自動化プログラムを作成できる便利なソフトウェアに過ぎません。
その名の通り「ツール」なので、実行するプログラム(ロボット/シナリオ)を自分で構築する必要があり、ある程度のスキルを必要とされます。
注意すべきは、
RPAという言葉に惑わされ、現在の「RPAツール」に過度の期待を寄せると大きく裏切られることです。
導入前にトライアルを実施して理解を深め、長期的な視点で導入を判断すべきです。
RPAで自動化できるPC操作の事例
上記はWinActorに用意されているPC操作の代表例ですが、今のところ、このような簡単なPC操作を組み合わせるプログラム(ロボット/シナリオ)がRPAの主流です。
例えば、
業務システム起動→ログイン処理→Excelファイルを開く→Excelのデータを業務システムにコピー&ペースト→Excelのファイル名を変更して別フォルダに保存→業務システムを閉じる。
その他も、
業務システム起動→データを抽出してExcelへ転記→Excelを関係者にメール送信する等 〜 データのコピー&ペーストを軸とした活用に止まっているのが現状です。
要するに、
システムやアプリケーションの隙間に生じた単純作業を自動化するのが、今のRPAの役割であり、それ以上を求めるのであれば、システムやアプリケーションを刷新した方が良いと判断されています。
今後、RPAは進化するのか?
RPAツールのライセンス料金は、比較的安いとされるWinActorでも年間数十万円です。PCの作業量が少ない中小企業に導入した場合、費用対効果が合わない計算になります。
詳しくはRPA費用対効果のブログ記事を参照ください。
今後のバージョンアップに期待します!
シナリオを作る部品(ライブラリ)が充実されてくると、もっと視覚的・感覚的に操作できるようになります。操作が簡単になれば、実行するシナリオも増えて、導入効果が積み上がって行くでしょう。
AIとの連携に期待します!
AI-OCRの導入が進めば、紙の情報がデジタル化されてRPAの活用範囲が広がります。
また、パソコンの操作ログを解析して、自動化する業務を選定してくれるAI機能も登場してきました。
最終的にAIがRPAをコントロールしてくれるまで技術が進めば、人間の代わりにロボットが仕事をする実感も得られるでしょう。
自動化の波は来ている!
人手不足、働き方改革、業務効率化、これらのワードに押される形で「コンピュータ自動化の波」が来ています。
IT技術は日々進歩しており、いつ波に乗ればいいのか? の判断が難しいところです。
言えることは、
人間のITリテラシー(スキル)は、AIやソフトウェアのように急速に向上しないので、便利な技術が登場しても、使いこなせなければ波に乗り遅れます。
RPAを必要ないと判断した企業でも、クラウド会計ソフトを導入するとか、ホームページを刷新するとか、何らかIT導入のアクションを取るべきタイミングだと思われます。
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